Salesforceが投資したAIスタートアップ企業①販売促進プラットフォーム「Highspot」
今回は前記事SalesforceのAIニュースまとめで紹介した、salesforceが投資したAIスタートアップ企業の中の1つであるHighspot社について紹介したいと思います。
Highspot Inc.という企業
簡単に言うと、クラウドベースの機械学習を用いた販売促進プラットフォームを提供している会社です。
Highspotを使うと、SalesforceのCRMをはじめ、Microsoft Office 365やGoogle Driveなどのコンテンツ管理システムと統合すると、あらゆるシーンに応じて最も最適なコンテンツを推奨することができます。
営業が常に確実に適切な情報を持ち、顧客に提示する適切なコンテンツを確実に持っている状態を作りだせるということです。
以下、簡単に概要をまとめてみました。
■会社名
Highspot
■本社
シアトル
■創業
2012年
■投資ラウンド
シリーズB(2017年6月にShata VentureとSalesforceから1500万ドル調達)
■URL
Highspotは、AIと機械学習の価値を販売促進ソフトウェア市場にもたらしたといわれています。
気になる機能について詳しくまとめました。
①フィルタリング
セールスコンテンツを、生産ラインや顧客層、地域、ビジネスに関連する特徴によってフィルタリングする。
②インテリジェントレコメンデーション
社員がセールスコンテンツを使うとき、顧客と関わるとき、最も関連性の高いコンテンツを提供して効率的に収益を上げる手助けをする。
③スマートフィード
データサイエンスを使用してRSSベースおよび検索ベースのフィードから新鮮なコンテンツを引き出す。
③クラウドファイルの統合
「Dropbox」「Google Drive」「One Drive for Business」「Alfreso」などのクラウドファイルシステムと統合し、必要な場所にコンテンツを保存する。
④Emailピッチ機能
HighspotからコンテンツをEmailで送る場合、Emailテンプレートを特定の状況に合わせて編成し、ターゲット設定することができる。また、Emailの各受信者の活動を追跡する。
⑦ライブピッチ機能
見込み顧客とのコンテンツを何かをインストールしたりウィンドウやアプリを切り替える必要なく、Web上で共有する。また、統合テレフォニーにはピッチを記録する機能もある。Salesforceを統合すると、すべてのピッチ活動を入れることができ、データ入力に手間取らなくてすむ。
⑧リアルタイムアラート
顧客が製品を見ているときにすぐに通知を得ることができる。また、リアルタイムフィードバックを使用してA/Bテストを実行し、メッセージを最適化する。
⑨Content Genomics
Highspotプラットフォームのコンポーネントである特許取得済みのテクノロジー。機械学習を利用して、コンテンツを分析し、販売から営業までのコンテンツを追跡し、バリエーションを分析する。
機能はこのようになっています。
たとえば、企業が
・営業担当が取引先を獲得するために必要なコンテンツを見つけることが難しい
・コンテンツパフォーマンス分析が不足しているため、優先順位のずれが生じている
・販売プロセスがほとんどなく、実行の一貫性が不足している
といった課題を抱えていた場合、Highspotの受信者の使用率とピッチを追跡し、コンテンツを最適化する機能によりROIを上昇させることができるといった感じです。
この企業の強みとしてはやはり独自のContent Genomics技術があげられると思います。「Genome」とは遺伝子と染色体から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝子情報のことです。コンテンツをまるで遺伝子レベルまで細分化して追跡、分析するといった意味ではないでしょうか。
この技術によりコンテンツ最適化といった難しい課題をAIによって解決しています。
SalesforceがHighspotに投資した動きを見ると、CRMを補完するものだというイメージが強いと思われます。この企業はこれからどんどんAIパワーツールに力を入れ、CRMのAI化を進めていくでしょう。
また、SalesforceのAIプラットフォームEinsteinとの関連にもこれから注目です。
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