[米国情報①]マーケティングオートメーションが成熟した時行く先は?米国METADATAという会社を調べてみる

Yukihiro Iwase • 2016-08-31

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日本のマーケティングオートメーション市場はどうなるか?

2014年から現在に至るまで、マーケティングオートメーションを導入している企業は右肩上がりで伸びています。プレイヤーにおいても、元々の米国製のものから国産のものまであらゆるプレイヤーが参入しています。

では、今後のマーケティングオートメーション市場はどうなっていくのでしょうか?米国本国の方に聞くところによると日本では、5年前の米国での市場と似たような状況のようです。

日本では導入が始まり、浸透までに色々な課題があります。よくある課題としては、

・機能が多すぎて使いこなせない

・最大化するノウハウが社内にない

・適切な人材がいない

・コンテンツが充分にない

・組織を横断した際にスムーズに連携できない

などです。

これは本来のポテンシャルを最大限に活用するという前提においては、私自身も感じているところですが、最近は余り気にする必要も無いのではと思っています。

理由は、自社の課題に照らし合わせて、まずは効果が抜群に出るところから着手していけば、十二分に投資対効果が得れるからです。

例えば、GA連携によりソース毎の成約率を取ることであったり、メール配信コストを下げることやトラッキング情報を営業に共有するなどのシンプルなことで従来の営業手法とは一線を画すことができます。こちらはまた別途お伝えしたいと思います。

米国でも同様に導入当初は簡単な機能を使った施策をひとつずつ実行し、徐々にノウハウを積んでいったようです。pardotにおいては、2007年に創業していますが、今で9年経っているということになります。日本は今2年目です。

実際にマーケティングオートメーションを自社で導入していることや、お客様の支援をしている中で実感することとしては、「無くなったら困る」ということは感じています。そのため、新たなテクノロジーが出現したり、顧客動向が変化した時には、違う何かに置き換わるか、もしくは存在自体がなくなることもあるかもしれませんが、現段階では、米国と同様の軌跡をやや早めのサイクルで辿るのでは無いかと思っています。

ちなみにGoogleトレンドですべての国での「marketing automation(赤)」で見てみると近年においても伸び続けていることが伺えます。(参考まで「マーケティングオートメーション(青)」が日本)

無題ただ、あらゆる会社がマーケティングオートメーションを導入し、多くのコンテンツを作っていくとまた環境はがらりと変わってくるのではないかと思います。

例えば、ビッグデータの上にAIが成り立っているようなことと同じように、よりAI化されること、コンテンツが世界中に大量に存在してくることで本当に良いコンテンツでないと淘汰されることや高度な編集能力が必要になるなど色々な変化が想定されます。

METADATA(サンフランシスコ)という会社

サンフランシスコにMETADATAという会社があることをふとしたことで知りました。どういった会社かというと、簡単に言えば既存のマーケティングオートメーションとMETADATAが提供するシステムを繋げば、新規見込顧客(MQL)を平均して300%獲得するようです。

以下簡単に概要を調べてみました。


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■会社名

METADATA

■本社

サンフランシスコ

■創業

2015年4月

■投資ラウンド

シード(2016年5月に200万ドルの資金調達)

■URL

http://www.metadata.io/


創業が2015年なので、かなりのベンチャー企業になりますね。またつい最近に200万ドル(約2億円)の資金調達をしています。米国のマーケティングオートメーション市場が成熟してきた中で、新規顧客獲得に頭打ちをしてきているといった課題が存在しているのだと思います。

 

日本のB2C向けのマーケティングでも同様のことが起こっていたので、そのB2B版?といった印象を感じます。(DSPが登場した時のイメージ?))

B2C企業のマーケティングでも検索連動型広告やリターゲティング、カスタムオーディエンスなどのソーシャルメディア広告を活用し顧客獲得をし続けた結果どうやって新規顧客を獲得すれば良いのか。そこでDSPや類似ユーザーへの拡張などが出現してきたわけです。

そのようにB2B企業のマーケティングが成熟し、従来のマーケティング施策だけでは新規顧客を取れないため、こういった企業が現れたのではないでしょうか。

METADATAにおいても、3rdパーティーデータを活用して、既存顧客に類似した新規顧客を自動的に探し出し獲得するといった仕組みのようです。

METADATAに関しては簡単に見ただけなので、上記以外の情報が多くあったり、METADATAのように既存のマーケティングオートメーションに接続する新たなサービスも存在しているのだと思います。(このあたりは興味があるので、調べてみたいと思います)

 

米国での市場を見た上で今すべきことは

このような市場になっているといった現状から、日本においても同様にB2B企業のマーケティング活動がより活発になっていき、マーケティングオートメーションを最大限に活用し、新規顧客が取れないといった頭打ちが来ることはおそらく間違いないでしょう。

B2C企業でも大昔はSEOだけ、検索連動型広告だけ、で大きな収益を上げられた時代がありました。

年々競合企業が増加し、従来の施策だけでは効果が薄くなっていきました。

バナー広告、アフィリエイト、ブログ広告、LPO、DSP、fb広告、動的リスト広告、DMP、ネイティブアド、コンテンツマーケティングなどいろんな施策が現れては競合が増え効果が低下し、といったことが繰り返されているかと感じています。

マーケティングオートメーションにおいても同様で、現在導入が始まったタイミングでは競合が少ないため効果が高い状態かと思いますが、数年経てば同じ手法では効果が下がっていくのではないかと思います。

今すべきこととしては、先を見据えて自社に最適なマーケティング施策を着実に社内に蓄積していき、感度を高く先端に居続けることではないでしょうか。

 

自社内でも先を見据えてより強固に施策を展開していきたいと思います。

 

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Yukihiro Iwase
ZENoffice株式会社代表取締役 岩瀬 恭裕
セールスフォースドットコムとSalesforce pardotの販売パートナーを締結。 主にB2C企業及びB2B企業向けの売上改善コンサルティングを提供。 B2C企業に対しては、、投資対効果を意識した売上改善を顧客に提供する。 一方、B2B企業に対しては、見込顧客獲得から育成、成約までのプロセスにおいて、マーケティングオートメーション(MA)、営業支援システム(SFA)、関係顧客管理(CRM)領域において、売上改善のコンサルティングを提供している。 ・株式会社セールスフォース・ドットコム認定pardotコンサルタント資格 ・株式会社セールスフォース・ドットコム認定パートナー ・デジタルハリウッド大学院にて非常勤講師として招聘
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