コンバージョンデータと受注データを紐付けることで、同じ広告費で成果を格段に上げる方法
コンバージョンで完結しないサイトの広告施策における課題
本稿は、B2BやB2Cでも通販サイトなど以外のその後に受注か失注があるケースのビジネスにおける内容です。通販サイトでは、コンバージョン=売上となるため、CPAの運用基準でも投資対効果は非常に測りやすいと思います。(深く入るとLTVなどの測定が重要となりますが、今回は割愛します)
逆に、B2B取引の「お問い合わせ」や「資料請求」、「見積依頼」などのコンバージョンで完結しないモデルの場合は、実際に獲得したコンバージョン(お問い合わせなど)がその後に受注につながって初めて売上となります。
ただ、獲得したコンバージョンがどの位売上につながったかなどを正確に測れてているケースは非常に稀ではないでしょうか。
よくありがちな、広告効果をCPAのみで部分最適することを継続しているCPA至上主義な運用方法では、思わぬ落とし穴が存在します。
なぜなら、商品毎に単価が違う場合や、広告経路毎に受注率が違うケースがあるからです。最もCPAが効率的だと思っていた施策も、実際蓋を開けてみると、投資対効果が低かったという問題をはらんでいます。
広告施策と受注データをつなぎ合わせることでROIを測定する
そのような課題も、Google AnalyticsなどのWEB上のデータと受注側のデータをつなぎ合わせることで、本来の広告投資対効果が計測できます。
イメージとしては、数の左側の青い部分がWEB上から取得できるデータ、右側のオレンジの部分が受注側のデータとなります。
上記のように、青い部分のみしか見ていなかった場合は、「リスティング広告の製品Aが最もCPAが高く良いキャンペーンだ」となりがちですが、実際にオレンジのデータをつなぎあわせてみると、ROIに関しては、333%と実は非常に低い数値だったということが起こり得ます。
逆に普通の成果だったFacebook広告が最もROIが高いということがわかれば、かけている450万円の広告費の配分を変更するだけで、広告費の投資対効果を同じ予算で高めることができます。
実現方法はいくつかあるかと思いますが、我々で扱っているマーケティングオートメーションpardotでもGoogle Analyticsのコネクタを活用すると上記のことが実現できます。
さらに細かい応用編
毎月一定額以上の広告費をかけているケースの場合ですが、広告のキャンペーン単位や広告グループ単位でも実施することが可能になります。
その他、ID自体をGoogle Analyticsとつなぎ合わせることで、SEOのキーワードグループ別にROIを測定することやランディングページ毎に測定することまで可能となります。
マーケティング施策を長く実施されていらっしゃるマーケターの方からすると、従来と打ち手が大きく変わり、新たな切り口でマーケティング施策を実行することが可能になると思いませんでしょうか。
最新記事 by Yukihiro Iwase (全て見る)
- 見込顧客獲得は1%を2%に増やすというより、99%のうち1%を獲得するという発想 - 2017-06-20
- [米国情報①]マーケティングオートメーションが成熟した時行く先は?米国METADATAという会社を調べてみる - 2016-08-31
- [コラム]大阪でマーケティング施策が浸透するのが遅い理由 - 2016-08-27