マーケティングオートメーション運用における課題と運用方法

Yukihiro Iwase • 2016-05-18

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日本における組織の課題

「日本にはCMOがいない。」これは、良くマーケティングを行う上で良く言われる組織上の課題のひとつです。各事業部を横串で見て、戦略を立てることができる権限と能力を持っている立場の役職です。

今ではある程度一般化していますが、少し前にeCRMという概念が登場しましたが、eCRMの導入を検討するタイミングでも同様の課題がありました。

情報システム部、営業部、マーケティング部と関連する部署が多い場合それぞれの組織内でのミッションとの乖離が生まれることや足並みが揃わないことで、導入を断念することや成果が生まれないといった問題です。

これは、大体のケースではボトムアップでプロジェクトが進行しているケースです。トップダウンで組織間の垣根を超えてプロジェクトが進むケースの方が比較的上手く運用が進んでいると感じます。

営業部とマーケティング部が主に関連するマーケティングオートメーションでも同様に、片方の部門が主導で進んだ場合に運用面での課題が多く存在する気がしています。また、組織内でも新しいチャレンジとなるため既存の評価制度が足かせになり、主体的になれないケースがあります。

こういった中で、いかに成果を出すのか?

トップダウンでは、強烈な目的意識と責任を持った上で導入を開始することや、ボトムアップではまずわかりやすい成果を出すことで組織の納得間を持って巻き込んでいくことが非常に重要と感じます。

 

あいまいではない設計が最重要

マーケティングオートメーションは、導入すれば必ず成果が出る万能ツールではありません。前述の組織の調整力は然ることながら、活用方法の設計・企画力、改善サイクルのスキームが成果の是非を決める要素となります。

また、私達がサポートさせていただく場合でも、最初の数ヶ月はほとんどの作業を設計する作業にあてます。最初の設計の精度によりその後の全ての成果につながるといっても過言ではありません。
設計をするポイントとしては、

・目的は何か?どんな成果を上げるか?どんな数値を改善するか?
・自社のKPIツリーを分解した時にどのKPIを優先度高く実施するか?
・売上のインパクトはどこが最も高いか?
・獲得すべき顧客像は明確か?複数存在する場合は絞るか?全て設計するか?
・カスタマージャーニーは明確か?あらゆる情報収集をしているか?
・自社の営業フローは確立されているか?部門間調整はできているか?
・マーケティングオートメーションの機能を理解し、設計通りの施策が打てるか?

など非常に多岐に渡るものです。
ただ、全ての項目を同時に実施することは、時間もかかり難しいため、最も効果があがるところからスタートすることをオススメいたします。これは、事業フェーズや組織人数などによって優先とするところが変わってきます。

まずはひとつずつ成果を上げていく

毎月コンスタントにリードが一定量以上取れているのであれば、「案件化率を20%改善する」といったようなところから始まります。全くリードが取れていない状態であれば、「見込顧客数を月間50件獲得する」「休眠顧客を1%引き戻す」など目的と打ちてが変わってきます。

こういった、自社の実情に合わせた時間・資金リソースを集中投下しフェーズを追って成果を上げていくことで、効果的な運用が可能となります。

まずは、自社で「どのような成果を上げるか?」を明確にしていく作業をしてみてはいかがでしょうか。

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Yukihiro Iwase
ZENoffice株式会社代表取締役 岩瀬 恭裕
セールスフォースドットコムとSalesforce pardotの販売パートナーを締結。 主にB2C企業及びB2B企業向けの売上改善コンサルティングを提供。 B2C企業に対しては、、投資対効果を意識した売上改善を顧客に提供する。 一方、B2B企業に対しては、見込顧客獲得から育成、成約までのプロセスにおいて、マーケティングオートメーション(MA)、営業支援システム(SFA)、関係顧客管理(CRM)領域において、売上改善のコンサルティングを提供している。 ・株式会社セールスフォース・ドットコム認定pardotコンサルタント資格 ・株式会社セールスフォース・ドットコム認定パートナー ・デジタルハリウッド大学院にて非常勤講師として招聘
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